Friday, December 26

2014年夏休み 四国・九州への旅:アートな温泉郷 松山道後温泉へ

直接九州へ入らなかったのは、
松山の道後温泉で、
温泉地を舞台にアートフェス「オンセナート2014」が開催されいていたから。
オンセナートは、Onsen(温泉)とArt(芸術)の造語。

最古にして、最先端。温泉アートエンタテイメント。
というテーマのもと、9つの温泉・旅館が
”泊まれるアート”作品群「HOTEL HORIZONTAL(ホテルホリゾンタル)」
のほか、まちなかに点在するアートを楽しめるイベント。

このなんとも魅惑的なイベントに、
引き寄せられてまずは松山に降り立ってしまった。

道後温泉の本館から定期的にゆけむりを模した霧が出たり、
日が落ちるとあちこちでプロジェクションマッピングが行われたり、
神社に続く階段が光り出したり、
作品数は他のアートイベントには劣るものの、見応えはあった。

中でもやっぱりホテルホリゾンタルは、
体験型ということもあり、超よかった。

道後舘という老舗の旅館と、
詩人 谷川俊太郎さんのコラボレーション。

部屋に入るには予約が必要。
この部屋(アート)は実際に宿泊できることもあり、
チェックアウトからチェックインの短い間だけ、開放されている様子。

部屋の至る所に俊太郎さんの詩が掲げられてて、
詩を読むのではなく、詩を体感するイメージでおもしろかった。



部屋は俊太郎さんのお気に入りの調度品やパソコン(中の詩集を見られる)まで
おいてあって、探検気分で日頃、そんなに注目なんてしないだろう、
旅館の部屋の隅々にまで目を配った。

部屋にはいってからしばらくすると、
旅館の案内の方が、抹茶とお菓子を持ってきてくれる。

抹茶の器はデザインがそれぞれ異なり、
選ぶ楽しみもくれる。嬉しい。

そして、一緒にいただくお菓子は、
なんとたべられる詩!になっている。

したのう え でとける
なつかし い ゆめ
いつかこ の いまも
あまいおもいでに な る
ときの は やさ

お菓子がおいてあるところを右に読むと、
「はなのいえ」になるという、またにくい遊び心。

お茶のタイミングと前後して、
ふすまで隠れていた景色がお目見え。


ようこそ
あ 木が挨拶してる 
こんにちは
おや 水も挨拶してる 
楽しんでね
これ 僕の挨拶 
おやすみ
うれしい 星の挨拶 
おはよう
すてき 空の挨拶

宿泊して、夜や朝に
庭に出て、この詩を見る贅沢といったらたまらないだろうなと想像。
普段使わない五感まで刺激されるような、
感覚になるんじゃなかろうか。



天井のあかりも、
掛け軸にも詩が。
ちなみにこの掛軸、俊太郎さん直筆らしいが、
墨ではなくインクで書いているらしい。
なんとも。

このほか、冷蔵庫のドアにも、洗面台の鏡にも、
あと部屋のキーにも、随所に詩が。

詩って普段あまり触れる機会がないんだけど、
こうやってひとつづつ、丁寧に味わうと、
たくさんの風景や考えが飛び出してくるというか、
無限の宇宙に放り出されたような感覚に落ちるんだって思った。


よくよく見ると、
庭の挨拶の詩には飛び出し具合がちょっとずつ違って、
抑揚がうまく表現されているんだなと感心。